庄内平野の地形が米を育てる
鶴岡市は山形県の庄内地方の南部に位置し、東北地方で最も広い面積を持つ市だ。西は日本海に面し、東には出羽三山(月山、羽黒山、湯殿山)が連なる。この地形が、庄内平野という日本有数の稲作地帯を生み出している。
私がこの町を見るとき、まず目に入るのは水田の広がりだ。赤川や大山川といった河川が流れ、年平均降水量が2000ミリを超える湿潤な気候。冬は豪雪地帯に指定されるほどの積雪があり、その雪解け水が春の田んぼを潤す。こうした条件が、庄内米という銘柄を支えている。
江戸時代、この地は庄内藩の城下町として栄えた。鶴ヶ岡城を中心とした町並みは、藩の経済基盤となる米の流通を背景に成長した。北前船が加茂港に着き、庄内の米は新潟経由で全国へ運ばれていった。その歴史は、この町の食卓の中心に米があることを物語っている。
推し一品:特別栽培米ひとめぼれ
令和7年産特別栽培米ひとめぼれは、この町の米作りの現在を最も素直に表現している。

特別栽培とは、農薬と化学肥料を慣行栽培の5割以下に抑えた米のこと。庄内平野の肥沃な土壌と、赤川の清水があれば、そうした栽培が可能になる。ひとめぼれという品種は、粘りと甘みのバランスが良く、毎日の食卓に向いている。決して華やかではなく、むしろ地味だが、何杯でも食べられる米だ。
届いた5キロを、白い飯として炊く。朝、湯気の立つ茶碗に盛ったとき、米粒がほのかに光る。味噌汁をかけても、漬物と一緒に食べても、この米は主張しすぎない。むしろ、おかずを引き立てる。冬の朝、温かい飯を食べることの幸福感は、この町の冬の厳しさを知ってこそ感じられるものだ。
保存は冷暗所で。5キロなら、家族4人で1ヶ月弱の消費量。季節が進むにつれ、新米から秋米へと味わいが変わっていく過程も、この町の時間を家の中に引き込むことになる。
庄内の野菜と、食卓への着地
この町の返礼品を見ると、米の次に目立つのが野菜だ。旬のおいしい野菜詰合せセットは、季節ごとに内容が変わる。春はふきのとう、夏はトマトやナス、秋は白菜や大根。冬は根菜が中心になる。

特に有名なのは、だだちゃ豆と温海かぶだ。だだちゃ豆は白山原産の枝豆で、塩ゆでにすると甘みが引き立つ。温海かぶは、温海地区の特産で、漬物にすると独特の風味が出る。こうした野菜は、庄内平野の各地で、小規模な農家によって丁寧に育てられている。
野菜詰合せが届いたら、まず何を作るか。夏なら、トマトはそのまま塩をふって食べるのが一番だ。秋冬なら、白菜は漬物にするか、鍋に入れるか。この町の野菜は、特別な調理を必要としない。むしろ、素材の味を活かす、シンプルな食べ方が似合う。
酒と、この土地の水
庄内平野の水は、酒造りにも使われている。純米大吟醸はくろすいしゅBUONOは、この町の酒蔵が仕込んだ一本だ。ミラノ酒チャレンジで金賞を受けた品で、雪女神という酒米を使っている。
晩酌の時間に、冷やした一杯を注ぐ。米の甘みと、水の清涼感が口に広がる。この酒は、庄内の米と水と、職人の手仕事の結晶だ。毎晩ではなく、週に何度か、特別な夜に飲む酒として家に置いておくのが良い。
季節と、申込みの実際
鶴岡市への寄付は、季節を意識して行うのが良い。春から初夏にかけては、野菜詰合せが充実する時期だ。秋は米の新米が出始め、冬は保存食としての野菜漬けや、酒が活躍する季節になる。
返礼品の申込みは、楽天ふるさと納税などのポータルを通じて行う。寄付額は、家族の人数と消費ペースを考えて決めるのが現実的だ。5キロの米なら1万円前後、野菜詰合せなら5万円程度。複数回に分けて寄付することで、季節ごとに異なる品を受け取ることもできる。
届いた品を、その季節の食卓に置く。それが、この町への寄付の最も自然な形だと私は考える。
