日本海の風が塩辛くする町
鰺ヶ沢は、青森県の西端で日本海に向かって開いた町だ。南に白神山地を背負い、北は海。冬は年間412センチの雪が降り、気温は氷点下10度を下回る。こうした厳しい気候の中で、この町の人たちは漁業で生きてきた。鰺ヶ沢漁港を中心に、イカ漁が盛んだ。
私がこの町を見ているのは、『漁港の町でやたら床屋が多い』という漫画家つげ義春の描写からだ。それは、漁師たちが陸に上がって、町の中で日常を過ごす風景を映している。朝は海へ、夜は町へ。そういう生活のリズムが、この町の顔を作ってきた。
天日干しイカ——冬の日差しで塩辛く
天日生干しイカは、この町の名物だ。一本釣りで獲ったイカを、塩漬けにして天日に干す。冬の日本海沿岸の乾いた風が、イカの身を引き締める。届いた時、パッケージを開くと、塩の結晶がうっすら白く付いた、硬く締まったイカが4〜6枚入っている。

食べ方は、そのままでいい。晩酌の時、包丁で細く裂いて、日本酒の肴にする。あるいは、軽く炙ってから食べると、香ばしさが出る。冷蔵庫に常備しておけば、急な来客の時にも、ご飯のおかずにも使える。この硬さ、この塩辛さは、冬の日差しと風が何日もかけて作ったものだ。
川の金色——赤石川の鮎
町の南、白神山地から流れ出る赤石川。この川で獲れる鮎は『金の鮎』と呼ばれている。赤石川の鮎は、真空冷凍で届く。5尾が2パック。

解凍して塩焼きにすると、小ぶりな身が、ほろりと骨から外れる。内臓の苦さと、塩辛さが、夏の晩酌を引き締める。あるいは、唐揚げにして、骨ごと食べるのもいい。川の香りが、そのまま食卓に着地する。
地酒と、イカの塩辛
ブナの白神は、白神山地の名を冠した純米酒だ。この町の酒蔵が、地元の水と米で仕込んだ。冷やして飲むと、後口がすっきりしている。イカの塩辛さと合わせると、酒が進む。
イカの肝醤油造りは、珍味だ。80グラムが5袋。イカの肝を塩漬けにして、醤油で味付けしたもの。ご飯の上に乗せて食べると、濃い旨味が口に広がる。あるいは、チーズの上に乗せて、ワインの肴にもなる。
季節の果実——メロンとスイカ
夏には、減農薬栽培メロンが届く。糖度16度以上保証。青肉か赤肉か、選べる。冷やして、半分に切ると、甘い香りが立ち上る。この町の夏は短いが、その短さの中で、メロンは最大限の甘さを蓄える。
スイカも、夏の届け物だ。約6〜8キログラム。冷やして、家族で囲んで食べる。この町の夏の日差しが、スイカの中に詰まっている。
鰺ヶ沢の返礼品は、季節ごとに、この町の生業と風土を運んでくる。冬はイカと地酒。夏は川の鮎と、畑の果実。そうして、一年を通じて、この町の食卓が、あなたの家の食卓に着地する。
