石狩平野の南西、扇状地に広がる政令指定都市
札幌に入ると、まず目に入るのは平坦さだ。市の中心部は豊平川が形成した扇状地。東西42キロメートル、南北45キロメートルにわたって広がる市域の大半は、かつての川の営みが刻んだ地形である。南西に目を向けると、支笏洞爺国立公園に指定される山岳地帯が控えている。この地形の多様性が、札幌という町を作った。
明治2年、開拓使が札幌本府の建設を始めたとき、この地は蝦夷地だった。アイヌ語の「サッ・ポロ・ペッ」——乾いた大きい川——という名は、豊平川の季節変動の激しさを指していたという。その後、屯田兵の入植、京都を参考にした碁盤の目状の街割り、戦後の急速な都市化。札幌は、北海道全体の人口の約4割を占める大都市圏へと成長した。
今、札幌の返礼品を見ると、この町の成り立ちが透ける。北海道の経済・行政の中心地でありながら、返礼品の主役は、道内の漁場から届く海の幸と、地元の醸造技術である。
北海道の漁場を代表する銀だら、札幌経由で家へ
札幌は海に面していない。市域は海岸線から約400メートル内側にあり、石狩湾を望むことはできても、波打ち際には立てない。しかし、北海道全体の経済を統括する支店経済都市として、道内各地の産物が集約される場所である。
銀だらの厚切り食べ比べは、その象徴だ。北海道の深い海で獲れた銀だらを、札幌経由で全国に送る。厚切りにされた身は、脂が乗り、焼くと皮がぱりりと音を立てる。冬の食卓に、北海道の漁場の営みが届く。寄付すれば、選べる容量で、3~4種類の食べ比べが可能だ。

同じく海の幸として、海鮮丼の具材セットも返礼品に名を連ねている。イクラ、帆立、ズワイガニ、たらこ、ツブ、ホッキ——北海道の各漁場から集められた9種の具材が、一つの丼に凝縮される。札幌という流通の結節点だからこそ、これだけの多様性が可能になる。

地元の醸造技術、ウイスキーと梅酒
札幌の返礼品にもう一つの柱がある。地酒である。
サッポロウイスキーの蝦夷は、札幌の醸造技術を代表する一本だ。43度のブレンドウイスキーは、ハイボールで飲むと、北海道の冬の夜に似合う。アイヌ語で「蝦夷」と名付けられたこのウイスキーは、札幌という町が北海道全体とどう向き合っているかを、静かに語っている。
北海道産梅酒も、地元の素材と技術の結晶だ。神宮の梅とブランデーを合わせた梅酒は、夏の晩酌に、あるいは冬の温かい飲み物に混ぜて。季節を問わず、札幌の返礼品として家に届く。
返礼品を選ぶ視点
札幌の返礼品は、この町が何であるかを映す鏡だ。海に面さない政令指定都市でありながら、北海道全体の漁場と醸造の技を集約し、全国に送る。その営みが、返礼品に凝結している。
銀だらの厚切りを焼く音、海鮮丼の具材の色合い、ウイスキーのグラスの輝き——これらは、札幌という町の経済的な役割を、五感で感じさせてくれる。寄付を通じて、北海道の中心地の営みに触れることができる。それが、札幌の返礼品の本質である。
