1914年の大噴火が刻んだ地形と、水の物語
私は垂水市を、「火と水が出会った町」だと見ている。
1914年の大正大噴火。桜島の溶岩流が鹿児島湾の瀬戸海峡を埋め、かつての離島を陸続きにした。その時、松ヶ崎地区には2メートルもの灰が積もり、小学校さえ埋もれた。激烈な自然の営みが、この町の地層を一変させた。
しかし同時に、その火山活動がもたらしたのが、地下水の恵みだ。シラス台地と山地に囲まれた垂水の地下には、天然アルカリ温泉水が湧く。この水こそが、町の焼酎文化を支える根幹である。
温泉水で仕込む焼酎——作り手の選択
垂水の焼酎造りは、単なる「地元の水を使う」という話ではない。森伊蔵酒造をはじめ、この町の蔵元たちは、天然アルカリ温泉水という特定の水質を、焼酎の味わいの中心に据えることを選んだ。麦焼酎にせよ芋焼酎にせよ、その仕込みの水が、最終的な香りと後味を決める。
麦焼酎の飲み比べセットは、その選択を最も素直に伝える返礼品だ。5合瓶3本、3種類の麦焼酎を一度に味わえる。届いた時点で、すでに垂水の地下水が、各々の瓶の中で麦の香りと溶け合っている。晩酌の時間に、一本目を開けば、その水の透明さが、麦の甘さをどう支えているかが分かる。二本目、三本目と進むにつれ、同じ温泉水を使いながらも、蔵元ごとの仕込みの工夫——麦の選別、仕込み温度、熟成期間——が、微妙な違いとなって現れる。

水そのものを飲む選択肢
もし焼酎ではなく、水そのものの恵みを感じたいなら、温泉水99という選択肢もある。11.5リットルの箱で届く、飲む温泉水だ。毎日の食卓に、垂水の地下から汲み上げた水が、そのまま着地する。焼酎の仕込みに使われるのと同じ水を、朝の一杯として、あるいは調理の水として、家の中に引き込む。

海の幸との組み合わせ
垂水の返礼品の顔は、焼酎と水だが、忘れてはならないのが、鹿児島湾で育つ海の幸だ。ぶりのスライスやカンパチの半身は、冷凍で届く。焼酎を一杯、その後に、ぶりしゃぶの湯に身を通す。温泉水で仕込んだ焼酎の後味が、海の脂と出会う瞬間——それが、この町の食卓の本当の姿だ。
垂水は、人口が減り続ける町である。しかし、その地下に湧く水と、湾に育つ魚は、今も変わらず、この土地の営みを支えている。返礼品を通じて、その営みに触れることは、単なる「地元の味」の消費ではなく、火山と海が作った地形の中で、人が何を選び、何を守ってきたかを知ることなのだ。