開拓地の台地が育てた牛肉
川南町の名は、名貫川の南に因む。宮崎平野の北部、河成段丘が海岸まで迫る丘陵地帯。戦前、ここは水に乏しい原野だった。太平洋戦争後、全国から開拓者が集まり、満州からの引揚者も、落下傘部隊の兵士たちも、この乾いた台地を耕し始めた。出身県が全都道府県に及んだことから「川南合衆国」と呼ばれるようになった町。
その開拓の歴史が、今の畜産業を支えている。広大な台地は、牛たちの飼料となる草地に、豚舎に、鶏舎に生まれ変わった。畜産の生産額は農業粗生産額の七割を占め、特に豚は全国第六位。だが、この町の顔は何といっても黒毛和牛だ。
宮崎牛の赤身と霜降りは、その台地で育った牛を、部位・カット・グラム数・発送時期まで選んで届く。冬の夜、すきしゃぶの鍋に赤身を入れると、湯の中で色が変わる瞬間がある。霜降りなら、焼いた時の脂の香りが台所に満ちる。開拓者たちが切り拓いた土地で、丁寧に育てられた牛肉が、あなたの食卓に着地する。選べるという仕組みが、実は大事だ。家族の人数、その日の気分、季節によって、必要な量と時期を自分で決められる。返礼品は、届いた時点で終わりではなく、そこからが台所の時間だからだ。

果汁の町の季節の贈り物
川南町はまた、宮崎県農協果汁の本拠地でもある。サンAという名で知られる果汁メーカーが、この町から全国に柑橘を送り出している。日向夏、へべす、マンゴー。宮崎の太陽が育てた果実たちだ。
日向夏ジュースの果汁百パーセントは、朝食の定番になる。毎朝、同じ時間に同じ味が届く定期便の安心感。あるいは太陽の子マンゴーは、夏の盛りに、箱を開けた時の香りが部屋に満ちる体験だ。選べるグラム数は、家族の大きさと食べるペースを反映している。

定期便で季節を受け取る
開拓地の台地は、一年を通じて何かを育てている。くだもの定期便は、いちご、マンゴー、ぶどう。季節ごとに旬のものが六回、家に届く。冷蔵庫を開けるたびに、川南の季節が入れ替わる。それは、この町の農業の多様性そのものだ。
畜産だけではなく、果実も野菜も。2010年の口蹄疫で大きな打撃を受けた後、この町は畜産と畑作のバランスを模索し始めた。その試行錯誤の結果が、今、返礼品として家庭に届く。開拓者たちが全国から集まり、それぞれの故郷の味を持ち込んだように、川南の食卓も多様だ。その多様性を、季節ごとに受け取ることができる。