本庄川の水が育てた、宮崎の鶏
国富町は宮崎市の北西に位置する、細長い町だ。南側の平野部から北西の山地へと地形が変わっていく中で、町を東西に貫く本庄川がある。この川は九州一の清流と呼ばれ、江戸時代には天領の本庄地区で水運による物資の集散地として栄えた。その清流の水は、今も農業と先端産業を支える。
国富町の産業を見ると、葉タバコと切り干し大根は全国1位の生産量を誇る農業の町だ。同時に、本庄川の水を利用した半導体工場など先端産業も立地している。この町は、伝統的な農業と最新の産業が共存する場所なのだ。
そうした国富町を代表する返礼品として、私は炭火焼きの若鶏を推したい。

宮崎は鶏肉の産地として知られ、この町でも若鶏の飼育が盛んだ。炭火焼きは、宮崎の食卓に欠かせない調理法である。小分けされたパックで届くこの品は、晩酌の一品として、あるいは弁当のおかずとして、そのまま温めて食べられる。炭で焼いた香ばしさと、肉の旨味が一体になった状態で家に届く。冷蔵で保存でき、食べたい時に食べたい分だけ取り出せる手軽さが、日常の食卓に着地しやすい。
台地の鶏、多様な食べ方で
同じく国富町産の若鶏の切身も、この町の鶏飼育の厚みを示している。もも肉、むね肉がカット済みで届くため、買ってきたその日に調理できる。煮込み、炒め、唐揚げ——季節や気分に応じて、台所の手が自由に動く。大量に届く場合は、冷凍で保存しながら、数週間かけて食べ進めることになる。

一方、宮崎牛の赤身焼肉は、この町の畜産の別の顔を見せる。赤身のウデやモモをスライスで選べるこの品は、焼肉として、あるいは炒め物の主役として、台地で育った牛の肉質を引き出す。
国富町の返礼品は、いずれも『届いてから、どう食べるか』を想定した形で用意されている。それは、この町が農業を中心に据えながらも、生産者と消費者の距離を縮める工夫を重ねてきた証だと思う。