黒潮と丘陵地が作る、串間の食べ方
宮崎県の最南端、串間は東は日向灘、南は志布志湾に面した町だ。海に囲まれながら、市域の大半は丘陵地帯。この地形が、串間の食卓を決めている。
夏は暑く、冬も黒潮の影響で温暖。台風の通り道になることも多いこの気候が、畜産と漁業の両立を可能にしてきた。農業ではサツマイモやマンゴー、キンカンが育つ一方で、近海ではアジ、サバ、カツオ、マグロが水揚げされ、秋にはイセエビ漁が行われる。そして、この町を代表する食べ物が、A4等級以上の宮崎牛のヒレステーキだ。

一枚のステーキが、季節の晩酌になる
ヒレステーキは、約120gの一枚。冷蔵で届く。真空包装のまま、冷蔵庫に置いておけば、食べたい日の朝に冷蔵室に移して、夜には常温に戻す。フライパンか鉄板を強火で熱して、塩をふった肉を片面2分ずつ。焼き色がついたら、バターを落とす。その香りが立ち上がる瞬間が、晩酌の始まりだ。
ヒレは赤身の最高峰。脂が少なく、肉の甘みが前に出る。一枚を二人で分けるのもいい。ナイフを入れると、繊維がほぐれるように切れる。この質感は、A4等級だからこそ。串間の牧場で育った牛が、どれだけの時間をかけて、この柔らかさに至ったのか。そういうことを考えながら食べる肉は、ただの蛋白質ではない。
海の季節を、刺身で迎える
秋から冬にかけて、串間の食卓は海に傾く。伊勢エビは、計約600gで1〜3匹。活きたまま届く場合もあれば、生冷凍で届く場合もある。どちらにせよ、刺身にするなら、解凍は冷蔵室で時間をかけて。半日かけてゆっくり戻した身は、甘みが濃い。

伊勢エビの刺身は、塩とレモンだけで十分だ。あるいは、醤油に少し山葵を溶いて。身の繊維をかみしめると、海の深さが伝わってくる。串間産の伊勢エビは、志布志湾の秋の風物詩。この季節に届く返礼品は、単なる食材ではなく、その町の時間そのものだ。
焼酎で、町の蔵元を知る
串間には酒造会社が3社ある。本格芋焼酎のひむかシリーズ3種飲み比べは、計2.7L。赤芋仕込みなど、蔵元ごとの個性が詰まっている。晩酌の相棒として、毎晩違う銘柄を試すのもいい。あるいは、友人を招いた夜に、飲み比べの時間を作る。
焼酎は、その土地の水と米、芋の質で決まる。串間の蔵元たちは、この町の素材を知り尽くしている。ボトルを開けるたびに、その蔵の歴史と手仕事が、グラスに注がれる。
選ぶときの視点
串間の返礼品を選ぶなら、季節を意識してほしい。春から初夏は超早場米のミルキークイーンで、新米の季節を迎える。夏から秋は、マンゴーやキンカンといった果実。秋から冬は、海の幸。そして通年、牛肉と焼酎は、この町の食卓の基盤だ。
一度に大量に届く返礼品より、季節ごとに異なる品を選ぶ方が、串間という町を食べ続けることができる。冷蔵庫に常備する牛肉、季節の刺身、毎晩の焼酎。そうして、この町の風土が、あなたの台所に根付いていく。
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