山に囲まれた盆地が、米を育てる
竹田市は大分県の南西部、くじゅう連山・阿蘇山・祖母山に囲まれた内陸の盆地にある。夏は日中こそ暑いが、朝晩は涼しい。冬は九州の市部としては寒く、冬日が年64日以上続く。この気温差、この寒冷さが、米に何をもたらすか。
盆地の農業は、この気候と水に支えられている。竹田湧水群は名水百選に選ばれ、白水溜池堰堤や若宮井路笹無田石拱橋といった江戸時代からの灌漑施設が今も機能している。水が豊かで、気温が厳しい土地。そこで育つ米は、どういう米になるか。
竹田銘水 美人色選米は、白丹産の特別栽培米ヒノヒカリ。白丹は竹田市内の地区で、この米は「銘水」の名を冠している。つまり、この町の水と気候が、米の品質を決めているという宣言だ。朝晩の冷涼さで、米粒は透明感を帯び、水分と甘みのバランスが整う。灌漑用水の歴史が長い土地だからこそ、水の質にこだわる農家が育つ。

届いた米を炊くとき、竹田の朝晩の冷気が、粒の中に詰まっていることを思い出してほしい。冬日が64日続く盆地の、その厳しさが、ご飯の甘さになっている。
盆地の冷涼さを、酒と肉で味わう
竹田の気候は、米だけでなく、他の産物にも影響を与えている。久住ロゼは、久住高原で栽培されたぶどうから作られたワイン。久住高原は市内でも特に冷涼な山地型気候の避暑地で、ぶどうの栽培に適した気温差がある。辛口のロゼは、この高原の涼しさを液体にしたようなものだ。晩秋の夜、冷えた白ワインを傾けながら、高原の風を思い出す飲み方ができる。

おおいた和牛煮込み肉は、黒毛和牛の煮込み用。盆地の冬は長く、朝晩は冷える。そういう季節に、煮込み料理は台所の中心になる。肉を塩漬けにして冷蔵庫に寝かせ、根菜と一緒に鍋に入れる。3時間、4時間と火を入れると、肉の脂が溶け出し、スープに深みが出る。冬の食卓に、この肉は欠かせない。
湧水の町の、水を使った返礼品の選び方
竹田は「レンコンの町」という異名を持つほど、トンネルが多い。盆地を出るたびにトンネルを抜ける地形だ。その地形が、湧水を生む。竹田湧水群は、この町の地下水が豊かであることの証だ。
返礼品を選ぶなら、この水と気候に根ざしたものを選んでほしい。米は、朝晩の冷涼さと湧水で育つ。ワインは、高原の気温差で熟成する。煮込み肉は、冬の長い盆地の食卓に着地する。どれも、竹田という土地の条件が、そのまま返礼品になったものだ。
大分県産ヒノヒカリも、同じ盆地の米。銘水選米との違いを食べ比べるのも、この町の気候を知る方法になる。
