山と海に挟まれた、坂の町
別府に入ると、すぐに地形の厳しさが目に入る。東は別府湾、西は鶴見岳や由布岳といった火山に囲まれ、海抜ゼロから千メートルを超える高さまで、わずか数キロの距離で立ち上がる。市街地は朝見川や春木川が運んだ扇状地と沖積平野に形成されたが、その地盤は東西を横切る短い断層に挟まれた窪地だ。だから坂が多い。歩くたびに、この町が火山と海に挟まれた、逃げ場のない地形の上に立っていることを感じさせられる。
その西側の高原・山岳地帯では、標高が500メートルを超える。街中が32℃の真夏日でも、山頂付近は23℃。この気温差が、米作りの条件を決める。昼夜の寒暖差が大きい環境は、米粒に甘みと粘りをもたらす。別府の棚田は、この地形と気候の必然の産物だ。
棚田謹製の米——火山地帯の恵み
棚田認定の白米は、別府の西部、山裾の段々畑で育てられた一品だ。ひとめぼれ、ヒノヒカリ、なつほのかといった品種が、小分けパックで届く。300グラム×5パックという量は、毎日の食卓に無理なく組み込める分量だ。

炊き立ての湯気が立つ時、米の香りが立ち上る。その香りの奥に、昼夜の気温差が育てた甘さが隠れている。別府の坂道を上り下りしながら、この米がどこで育ったのかを想像しながら食べると、一杯のご飯が風景そのものになる。
温泉宿泊券——この町の本質
別府を返礼品で体験するなら、やはり温泉宿泊が欠かせない。宿泊補助券やREX HOTELの露天風呂付き宿泊は、この町が何であるかを直接的に伝える。

別府の源泉数は2300ヶ所以上。日本の総源泉数の約1割を占め、湧出量も日本最多だ。その源泉が、観光だけでなく、地熱発電、花き栽培、養魚業、美容法まで、あらゆる産業に組み込まれている。温泉は、この町の骨格そのものだ。宿泊券で泊まった夜、露天風呂に浸かりながら別府湾を眺めると、この町がなぜ800万人を超える観光客を毎年迎え続けるのかが、肌で理解できる。
地ビールと海鮮——周辺産業の彩り
かぼすペールエールは、別府の地ビール。大分県産のかぼすを使った一本だ。晩酌の時間に、この地ビールを傾けると、別府の産業の多様性が見える。温泉だけではなく、農業、醸造、地域の食文化が重なり合っている。
老舗割烹の海鮮わっぱめしは、別府湾で獲れた鯛や穴子、マグロを使った加工品だ。別府湾最奥部という地形が、漁場としても機能していることを示している。わっぱ飯は、温泉地の旅人文化から生まれた食べ方だ。温泉に浸かった後、温かいご飯を食べる——その営みが、この町の日常に組み込まれている。
