昔ながらの手造りが、今も続く理由
筑紫野市は福岡市と久留米市のちょうど中間に位置する町だ。二日市温泉を中心に、古い町並みが残る地区と、ニュータウンの新しい住宅地が共存している。この町の顔は温泉だが、私が注目するのは、その温泉街の奥に息づく酒造りの手仕事である。
玉出泉の純米吟醸を造る大賀酒造は、この町で何代にもわたって酒を仕込んできた蔵だ。「昔ながらの手造りの旨さがある」という言葉は、単なる謳い文句ではない。それは、毎年同じ季節に、同じ手順で、米と水と麹菌と向き合い続けることの積み重ねを意味している。

筑紫野の水は、宝満山や三郡山系の山々から流れ出る。その水が、米を蒸し、麹を育て、酵母を活かす。手造りの酒蔵では、温度管理も、仕込みのタイミングも、人の感覚と経験が主役だ。機械に頼らない仕事だからこそ、毎年の出来は微妙に異なり、その年の気候や米の質が酒に映り込む。
晩酌の時間に、手仕事の時間が届く
玉出泉を冷やして、夜の食卓に置く。グラスに注ぐと、米の香りが立ち上る。一口含むと、甘さと酸味のバランスが舌に広がる。これは、蔵人たちが何ヶ月もかけて造った時間の味だ。
同じ大賀酒造からは、純米大吟醸も届く。こちらはより丁寧に磨かれた米を使い、香りを引き出す仕込みが施されている。晩酌というより、特別な夜の一杯に向いた酒だ。

また、太宰府天満宮の飛梅の花の酵母から生まれた菅公の酒という、この地域の歴史と結びついた一本もある。隣町の太宰府との関係性を酒に込めた、筑紫野という場所ならではの返礼品だ。
博多和牛との組み合わせ
酒だけでなく、博多和牛の切り落としも、この町の返礼品として届く。脂の乗った肉を焼き、冷えた酒で流し込む。手造りの酒と、丁寧に育てられた牛肉。どちらも、作り手の時間と手仕事が詰まった品だ。
筑紫野で寄付を選ぶなら、この町に根ざした酒蔵の仕事を知ることから始まる。温泉街の奥で、今日も仕込みが続いている。
