白壁の町が、ぶどうを育てる理由
内子町を訪れると、まず目に入るのは八日市護国の町並みだ。江戸から明治にかけて木蝋で栄えた商家が、白壁と土蔵造りのまま立ち並んでいる。その繁栄は、全国生産の約30パーセントを占めるほどだったという。石油と電気の普及で木蝋は衰えたが、この町は単に過去を保存するのではなく、その土地の力を新しい産業へ向け直した。
私がこの町を見ているのは、「失われたものを懐かしむ」のではなく、「残された地形と気候を、今どう活かすか」という問い方をしてきた町だと思う。中山間地の傾斜地を活かした果樹栽培がその証だ。ぶどう、梨、桃、柿——四国山地の谷あいで育つ果実たちは、観光果樹園として、また地元の食卓として、町の新しい顔になった。
内子夢わいん 赤と白のセットは、その流れの中にある。山ぶどうとロザリオ——地元で育つぶどう品種を、町内で醸造する。ボトルを手にした時、ラベルには町の名前がある。これは単なる「地元産」ではなく、町が自分たちの土地で何を作り、どう食べるかを決めた、その意思の形だ。
晩酌の卓に、町の季節が届く
赤ワインは山ぶどうの深い色。白はロザリオの淡い輝き。二本揃うことで、同じ町の異なる表情が一度に家に届く。
秋の夜長、グラスに注ぐ。赤は肉料理に、白は白身魚や和え物に。特に白は、内子の梨や桃を使った和菓子との相性も良い。町で育つ果実同士が、食卓で出会う。これが「地ワイン」の本来の意味だと私は考える。
同じ寄付で選べる内子夢わいん ベリーAは、赤ワイン一本の深さを知りたい人向け。また、地酒の味和セットは、町内の酒蔵・千代の亀と森文醸造の清酒を並べたもの。白壁の町で、米と水から何百年も醸してきた蔵の仕事が、ボトルに詰まっている。


内子町への寄付は、町並み保存の資金になるだけではない。ぶどう畑を守り、蔵の火を絶やさず、次の世代が「この町で何を作るか」を問い続けるための、町民の営みそのものへの応援になる。