島々を結ぶ橋の向こう、柑橘の季節
今治とその周辺の島々を結ぶしまなみ海道を走ると、冬から春にかけて、段々畑に黄色い実がぎっしり詰まった光景に出会う。大三島、伯方島、大島——瀬戸内海特有の多島海に浮かぶこれらの島は、古くから柑橘の産地だ。私はこの町を『海と山が一体になった風土』と見ている。高縄半島の北東部と島嶼部が一つの市域を成す今治は、瀬戸内の海上交通の要所として栄えた歴史を持ちながら、同時に各島の農業と深く結びついている。
冬の台所に届くでこかんは、その島の風土を最も素直に映す返礼品だ。でこかんとは、頭部が突き出た独特の形をした柑橘で、甘さと酸味のバランスが良く、皮も薄い。今治産のそれは、瀬戸内の温暖な気候と、島の段々畑で育った実だ。届いた箱を開けると、ずっしりとした重さと、柑橘特有の香りが立ち上る。皮を剥くとき、手に付く油分の香りの濃さが、この土地の日差しの強さを物語っている。

朝食の食卓に一つ置く。皮を剥いて房を分ける手の動きは、毎日の習慣になる。甘さが口に広がるのは、昼間の仕事の合間、あるいは子どもが帰宅したときの一杯のお茶の時間。季節が進むにつれ、実の甘さが増していく変化も感じられる。冷蔵庫に常備しておくと、家族の誰かが手を伸ばす。そういう『台所の定番』になる柑橘だ。
タオルは、毎日の手仕事
今治といえば、もう一つ欠かせない返礼品がある。今治タオルだ。この町は江戸時代から綿織物の産地であり、明治時代に阿部平助がタオル作りを始めたことで、やがて日本を代表するタオル産地へと成長した。

タオルは、毎日使うものだからこそ、質が生活に直結する。今治タオルの特徴は、吸水性と耐久性にある。顔を洗ったあと、手に取ったとき、その厚みと柔らかさが、朝の目覚めを心地よくする。何度洗濯しても、繊維がへたらず、ふんわりとした風合いが保たれる。これは、産地の職人たちが何十年も積み重ねた技術と、瀬戸内の水の質、そして気候が生み出したものだ。
複数枚を選べる返礼品なら、家族の人数分、あるいは来客用に揃える楽しみもある。色選びも、白・グレー・カーキなど、どの色も台所や浴室に自然に馴染む。
瀬戸内の海の恵みと、米の選択肢
冬から春にかけて、瀬戸内の小海老も旬を迎える。瀬戸内産の小海老の唐揚げは、冷凍で届く。解凍して、そのまま食卓に出すか、温め直して酒の肴にする。小ぶりな海老の香ばしさは、この海域の塩辛さを凝縮したようだ。
米も、地元産のブレンド米が選べる。容量を5kg、10kgから選べるのは、家族の人数や保存スペースに合わせた配慮だ。毎日の食卓の基本となる米だからこそ、産地を意識して選ぶ喜びがある。
返礼品を選ぶときの視点
今治への寄付を考えるなら、この町の『二つの顔』を意識してほしい。一つは、造船業と並ぶ地場産業としてのタオル。もう一つは、島々の農業が生み出す柑橘や海の幸だ。高額な旅行クーポンも用意されているが、この町の本質は、日々の暮らしの中にある。柑橘の季節に届く実を毎朝食べ、タオルを毎日手に取る——そうした『繰り返し』の中で、今治という町が、あなたの家の一部になっていく。