瀬戸内の潮風が牛を育てる
東かがわ市は香川県の東端、讃岐山脈と瀬戸内海に挟まれた細長い土地だ。高松と徳島のほぼ中間に位置し、北は播磨灘に臨む。この地形が、町の産業と食べ物の性格を決めている。
馬宿川や小海川といった山からの流れが平野部を潤し、かつて塩田だった跡地を改良した水田が海沿いに広がる。そこで採れる水主米は上質として知られ、ブランド米として流通している。一方、瀬戸内の穏やかな海では、1928年にこの町で世界初のハマチ養殖が事業化された。安戸池での成功が全国に広がり、今も引田沖では鯛や海苔の養殖が盛んだ。
しかし近年、赤潮被害が深刻化し、養殖業は厳しい局面にある。そうした中で、この町が育てているのがオリーブ牛の切り落としだ。

塩風と飼料が肉に刻まれる
オリーブ牛は、香川県産の黒毛和牛にオリーブの搾りかすを飼料に混ぜて育てたもの。瀬戸内の塩風が吹く牧場で、地元産の副産物を活かした飼育法は、この町の産業構造そのものを映している。手袋製造で国内シェア90%を占めるこの町は、細かい手仕事の文化が根付いている。その丁寧さが、畜産にも向かっている。
切り落とし1kgは、すき焼きや牛丼、煮込みに向く。冷凍で届くため、週末の食卓に合わせて解凍できる。脂が適度に入った赤身は、加熱すると香りが立ち、瀬戸内の塩気を思わせる後味が残る。家族分の夕食を一度に用意する時、あるいは数日に分けて使う時、この量感と品質は実用的だ。
冬から春、果実で季節をつなぐ
この町の返礼品には、季節ごとの果実も揃っている。さぬきひめのいちごは12月から1月の冬の贈り物。250g×2パックの構成は、一度に食べきるのではなく、数日かけて新鮮さを保ちながら味わう想定だ。朝食のテーブルに、そのまま置く。

春先にはしらぬひ(デコポン)が届く。2月中旬から5月上旬という長い出荷期間は、この町の柑橘栽培の多様性を示している。3kg単位は、家族で毎日一個ずつ食べるペースを想定した量。皮が薄く、手で剥きやすい品種だから、子どもも食べやすい。
さぬきゴールドのキウイは秋から冬。1.5kgは、毎朝のヨーグルトに合わせたり、おやつに切ったりする日常の量だ。訳あり品だからこそ、家庭での消費に向いている。
手仕事の町の返礼品選び
この町を選ぶなら、オリーブ牛と季節の果実を組み合わせるのが自然だ。瀬戸内の塩風と手間が刻まれた牛肉と、丁寧に育てられた果実。どちらも、この町が何を大事にしているかを食卓で感じさせる。高額な工芸品や旅行券ではなく、毎日の食べ物を通じて、東かがわ市の風土と産業を家に迎え入れることができる。
