瀬戸内の季節が、家の食卓に着地する
さぬき市は香川県の東部、讃岐山脈と瀬戸内海に挟まれた地形だ。山からの水と海からの潮風が交わる土地は、果樹栽培に適している。私がこの町を見るとき、思い浮かぶのは、春から冬へと移ろう季節の中で、その時々の果物が熟れていく風景だ。
推し一品は さぬき市厳選フルーツ定期便 にした。全3回、季節ごとに届く。いちご、シャインマスカット、ぶどう、みかん——町の農家が選んだ旬のものが、年間を通じて家に届く仕組みだ。定期便は、返礼品の中でも特に『その土地の時間軸』を感じさせる。冬から春へ、春から夏へ、秋から冬へ。季節の移ろいを、食卓で追体験することになる。

届いた果物は、そのまま食べるのが基本だ。朝、冷蔵庫から出したばかりのぶどうを、家族で分け合う。皮をむくいちごを、子どもの手に握らせる。そうした日常の手触りが、ふるさと納税の返礼品には往々にして欠けている。だがこの定期便は違う。毎回、『今月は何が来るだろう』という期待感が、家の中に季節感をもたらす。
瀬戸内の漬け魚——朝食の一品から晩酌まで
さぬき市は志度湾や津田湾を抱える漁場でもある。真鯛、鰆、サーモン——瀬戸内で獲れた魚を、地元の職人が塩漬けや味噌漬けに仕上げた返礼品が複数ある。
瀬戸内真鯛と鰆の讃岐白味噌漬け は、朝食の一品として重宝する。真鯛60g、鰆60gが各3パック。冷凍で届き、食べる前夜に冷蔵庫に移す。朝、焼き網で温めると、白味噌の香りが立ち上る。ご飯の上に乗せれば、それだけで一汁一菜が成立する。白味噌は讃岐の伝統的な味付けで、甘辛さが白いご飯に合う。

晩酌の肴なら、漬け丼セット も選択肢だ。讃岐でんぶく炙りべっこう丼と、ぶりの炙り漬け丼。各3パック、冷凍で届く。温かいご飯の上に乗せるだけで、居酒屋のような一品になる。漬けの深い味わいは、冷たい日本酒や焼酎と相性がいい。
白砂青松の町から、季節の便りを受け取る
さぬき市には『津田の松原』という、日本の白砂青松100選に選ばれた海岸がある。そこから少し内陸に入ると、果樹園が広がり、さらに山へ向かうと讃岐山脈の麓に至る。この地形が、多様な農産物を育てている。
定期便で季節を追い、漬け魚で日々の食卓を支える。そうした返礼品の選び方が、この町の風土を家に招き入れることになる。瀬戸内の潮風と山の水が交わる土地の、季節ごとの恵みを、毎月毎月、手で受け取る感覚。それがふるさと納税の本来の姿だと、私は考えている。