工業都市の精密さが返礼品に映る
大竹市は広島県の最西端、瀬戸内海沿岸に位置する臨海工業都市だ。小瀬川を挟んで山口県の岩国市・和木町と一体の経済圏を形成し、昭和初期から石油化学・化学繊維・製紙といった重化学工業が集積してきた。私はこの町を、瀬戸内工業地域の一拠点として、精密な製造技術が蓄積された場所と見ている。
市域は南北に細長く、北部の中国山地から南の瀬戸内海へ向かって緩やかに傾斜する地形だ。海岸線に沿った平坦地に市街地が展開され、その背後は急傾斜の山々が迫る。こうした地形的制約の中で、限られた平地を活かし、工業施設と港湾機能を組み合わせた都市が形成されてきた。その過程で培われた、ものづくりの正確さと品質管理の文化が、今も町の産業に息づいている。
ブリヂストンのゴルフボールは、そうした精密製造の系譜を体現する返礼品だ。ゴルフボールは一球の寸法・重量・反発係数が厳密に規格化される製品である。大竹市の工業基盤が支える品質管理の精度が、このボールの一貫性を保証している。寄付を通じて届く一ダースは、工業都市が日々積み重ねる「正確さ」の結晶であり、ラウンドの相棒として、その精密さを手に感じることになる。

海と山、両側面を持つ町の営み
大竹市の経済は工業だけではない。玖波漁港・阿多田漁港を中心とした漁業も営まれ、小方港からは阿多田島への定期航路が就航している。瀬戸内海の島々と陸地を結ぶ交通の要所でもあり、古代には山陽道の要路として遠管駅が置かれていた。
北部の飛地を含む山間地域では、かつて和紙の生産が行われ、その取引を通じて高知県の四国銀行が明治期から支店を置くほど、経済的なつながりが深かった。今も医療用手袋といった精密な繊維製品が特産として知られている。
工業都市としての顔と、海・山の自然資源を活かした地場産業の顔。大竹市はその両立の中で、返礼品を通じた寄付の受け皿となっている。精密さを求める人、瀬戸内の風土に関心を持つ人、それぞれの視点から、この町の営みに触れる機会が返礼品には詰まっている。
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