潮目の町、福山
福山市は瀬戸内海のほぼ中央に位置する。満干差は平均で2メートルを超え、海流の速度は部分的に非常に速い。古代から「潮待ちの港」として知られた鞆の浦は、この潮の恩恵を受けた場所だ。戦国時代末期、足利義昭がここに11年間の拠点を構えたのも、瀬戸内海を往来する船舶が必然的に集まる地理的優位性があったからだろう。
市街地は芦田川のデルタ地帯と江戸時代の干拓平野に広がっている。降水量が少ない瀬戸内海式気候のもと、綿花栽培が奨励され、やがて備後絣やデニムへと発展した。この町は、海と川と人の手が織りなす風景の中で、何百年も産業を育ててきた。
沼隈の葡萄、秋の日差しの中で
福山市の南部、沼隈半島。ここは瀬戸内海に突き出した地形で、日中の気温は35℃を超える猛暑の日も多い。この厳しい日差しと、瀬戸内海からの潮風が、沼隈のピオーネを育てる。

種なしの大粒葡萄。8月下旬から9月上旬、秋の入り口に届く。房を手に取ると、粒の一つひとつが日光を吸収した重さが感じられる。皮は濃い紫黒色。口に入れると、瀬戸内の日差しが凝縮された甘さが広がる。冷やして食べるのもよし、室温で食べるのもよし。この葡萄は、沼隈の地形と気候が必然的に生み出した一品だ。
他の季節の恵み
秋が深まれば、シャインマスカットも届く。こちらは2026年9月の先行予約。種なし、高糖度。同じく瀬戸内の日差しを受けた果実だが、ピオーネとは異なる爽やかさを持つ。

米もある。山田米のにこまるは、福山平野で育った白米。干拓地の肥沃な土壌と、瀬戸内海式気候の安定した天候が、粒立ちの良い米を作る。
晩酌には、瀬戸内レモンのリモンチェッロ。瀬戸内海沿岸で栽培されたレモンを使った、爽やかなリキュール。炭酸水で割れば、潮風を感じるような一杯になる。
福山への寄付は、この町の地形と産業が一体になった返礼品を家に招くことだ。瀬戸内海の中央で、何百年も続いてきた営みの一部を、季節ごとに味わう。それが福山の返礼品の本質である。
.jpg?width=900)