塩と酒が交わる港町の風土
竹原は、瀬戸内海の交通の要衝だ。室町時代から港町として知られ、江戸時代後期には製塩業で栄えた。当時、広島県が全国の塩の80%を占めていた時代、竹原の塩は北前船で大阪や江戸まで運ばれた。その繁栄の中で、酒造業も同時に花開いた。塩と酒——どちらも塩辛い海の風と、瀬戸内の温暖な気候があってこそ成り立つ産業だ。
私がこの町を見ると、単なる「安芸の小京都」ではなく、海の恵みを塩漬けにし、米を仕込み、時間をかけて価値に変える職人の町だと思う。その営みは今も続いている。
竹原の酒を、飲み比べる
誠鏡と龍勢の飲み比べセットは、竹原の酒造の現在を最も素直に伝える返礼品だ。720ml瓶2本、異なる蔵の酒が一度に家に届く。

誠鏡は中尾醸造の銘柄。龍勢は藤井酒造の銘柄。どちらも竹原で仕込まれ、瀬戸内の水と米で作られた純米酒だ。飲み比べることで、同じ町の水を使いながらも、蔵ごとの手仕事の違いが舌に映る。一本目を冷やして、二本目を常温で。あるいは逆に。晩酌の時間が、竹原という町を知る時間になる。
酒を注ぐ杯の中に、塩田の労働、北前船の航海、江戸の酒飲みの期待が、層をなして沈んでいる。そういう歴史の重さを、竹原の酒は静かに持っている。
他の返礼品との組み合わせ
酒だけでは食卓は成り立たない。かまぼこの近末いろどりセットは、竹原の海の幸を練り物に仕立てた品だ。スケトウダラを厳選し、保存料を使わずに作られている。酒の肴として、あるいは天ぷらにして。瀬戸内の魚を手で仕込む職人の仕事が、ここにもある。

甘いものが欲しければ、アヲハタのジャムセットを選ぶ手もある。竹原はアヲハタの本社工場がある町だ。果実を煮詰める手仕事は、塩漬けや酒造と同じく、季節の恵みを時間に変える営みだ。朝食のパンに塗る瓶詰めの中に、竹原の産業史が凝縮されている。
返礼品を選ぶときは、単品ではなく、その町の仕事の流れを感じることを優先してほしい。竹原に寄付するということは、港町の手仕事を、自分の食卓に招くということなのだ。
