播磨平野の水が、酒になる
姫路は城下町だ。江戸時代、池田輝政が築いた城を中心に、町割りが放射状に広がった。その城の真南1km、山陽新幹線の駅から見上げると、白い天守が浮かぶ。私はこの町を、水の町だと見ている。
市川、船場川、野田川、夢前川、揖保川——播磨平野を南流する五つの川が、この町を潤してきた。瀬戸内海式気候で降水量は年1254mm、日本の中では少ないほうだが、それでも播磨の水は清い。江戸の昔から、この水で米を育て、酒を仕込んできた。
姫路の酒蔵は、城下町の片隅に今も息づいている。白壁の蔵、黒い瓦、暖簾。その奥で、杜氏たちは播磨の米と水を相手に、冬の仕事を続けている。寒造りの季節、蒸した米を麹菌が分解し、酵母が糖を酒に変える。その過程は、一日では終わらない。仕込みから搾りまで、数十日の時間が必要だ。
四本の飲み比べで、播磨を知る
白鷺の城と稀代の飲み比べセットは、姫路の代表的な蔵元の酒を四本、720ml瓶で届ける。純米吟醸、特別純米酒——格付けの異なる酒を、同じ晩に並べて飲む喜びがある。

最初の一杯は、冷やして。グラスに注ぐと、香りが立つ。米の甘さ、麹の香り、酵母の香気。口に含むと、播磨の水の柔らかさが感じられる。二杯目は、別の銘柄に移る。同じ播磨の水で仕込まれても、蔵の菌株、杜氏の手、米の品種で、酒は表情を変える。
晩酌の時間が、四夜続く。毎晩、別の酒を開ける。冷や、ぬる燗、熱燗——温度を変えると、同じ酒も別の顔を見せる。酒の奥行きを知ることは、その土地の水と米、そして人の手を知ることだ。
播磨の米と、もう一つの選択肢
酒を飲む夜には、肴も欲しい。姫路和牛の肩ロースは、すき焼きやしゃぶしゃぶに向く。500gの薄切りは、播磨の水で育った黒毛和牛の肉だ。脂の甘さが、酒の後味を引き立てる。

もう一つ、農家の食べてるお米も選択肢になる。10kg、真空パック。毎日の飯を、播磨平野の米で立てる。酒を飲まない夜も、この米があれば、食卓は整う。
姫路に寄付すれば、城下町の水が育てた酒が家に届く。それは、播磨の四季を、杯の中に映す営みだ。