京都と大阪の中間地で、時間をかけて育つもの
高槻市は、京都と大阪のちょうど中間に位置する。距離にして両都市からそれぞれ21km余り。この立地が、この町の性格を決めてきた。江戸時代、西国街道の宿場として栄え、淀川の水運を活かした商業地として発展した。そして富田は、8000石余りを醸造する酒蔵の町として知られていた。
私がこの町を見るとき、単なるベッドタウンではなく、古い産業の層が今も息づく場所だと思う。北摂山系から流れ下る水、淀川の水運、そして江戸から続く醸造の技術。これらが重なった土地だからこそ、今も酒が作られ、漆の手仕事が続いている。
富田の酒蔵が今も手がける、飲み比べの時間
國乃長の大吟醸と純米吟醸は、富田で江戸時代から続く蔵の仕事を、家の食卓に届ける。大吟醸と純米吟醸、2本のセット。異なる製法で仕上げられた酒を、同じ晩酌の時間に飲み比べることで、その蔵の手の違いが見える。


大吟醸は、米の外側を磨き、香りを主役にした酒。純米吟醸は、米の旨味をより引き出す。同じ蔵の手でありながら、狙う味わいが異なる。この2本を並べて飲むことは、その蔵の職人がどう米と向き合い、どう水を使い、どう時間をかけるのかを、自分の舌で知ることになる。
晩酌の盃に注ぐたび、富田の水と、江戸から続く醸造の時間が、家に着地する。
漆職人の手による、酒を温める道具
高槻の返礼品には、もう一つの手仕事がある。漆塗りの燗酒器だ。

燗酒器は、日本酒を温めるための道具。陶製の器に、漆を塗り重ねた木製の外装を合わせたもの。職人は、木地に何度も漆を塗り、研ぎ、また塗る。その工程を繰り返すことで、深い艶と手触りが生まれる。
冬の晩酌、この器に酒を入れ、湯煎で温める。漆の香りが立ち、手に温もりが伝わる。酒を飲むという行為が、単なる飲酒ではなく、季節の手当てになる。漆職人の手と、富田の酒蔵の仕事が、同じ時間の中で出会う。
他の選び方——水産物と、もう一つの酒
天然本マグロの中トロは、淀川の水運で栄えた高槻の、もう一つの顔。刺身で、握りで、その脂の乗りを感じる食べ方がある。
國乃長の焼酎2本セットは、同じ蔵の別の仕事。米焼酎の香りと、日本酒とは異なる飲み口。晩酌の時間を、季節や気分で変える選択肢になる。
高槻の返礼品を選ぶとき、大切なのは、その町の産業の層を感じることだ。江戸から続く醸造、漆職人の手、そして淀川の水運が支えた食の文化。これらが、家の食卓に届く。
