茶の産地が、ビールを醸す理由
京田辺市は京都府の南部、木津川と生駒山系に挟まれた土地だ。この地形が、古くから茶の栽培に適した環境をつくってきた。玉露を特産とし、飯岡集落は日本遺産「日本茶800年の歴史散歩」に認定されている。つまり、この町の台所には、800年分の茶の手当てが染み込んでいる。
そこへ現れたのが京田辺産茶葉のクラフトビールだ。アルデアやましろビールズという醸造所が、地元の茶葉や季節のフルーツを仕込んでいる。茶の産地だからこそ、茶をビールに変える試みが生まれた。これは単なる地産地消ではなく、800年の茶文化を新しい飲み方で継ぐ仕事だと私は見ている。

届いたビールを開けば、茶の香りが立ち上る。晩酌の時間に、玉露の産地の手仕事が、グラスの中で別の形になって現れる。季節ごとに異なるフルーツが合わせられるから、春夏秋冬、京田辺の季節が飲み手の手に渡る。
南山城の地で、暮らしを試す
京田辺は同志社大学・同志社女子大学のキャンパスを抱え、京都市・大阪市のベッドタウンとしても機能する町だ。JR片町線と近鉄京都線が通り、松井山手駅には北陸新幹線の新駅設置も検討されている。つまり、この町は古い茶の文化と、新しい都市機能が同じ地面の上に立っている。
6本セットを選べば、季節の変わり目ごとに新しいビールが届く。家族や友人と、何度も開ける理由ができる。茶の産地の手仕事を、毎回違う形で味わう。それが、この町への寄付が返す、最も誠実な形だと思う。

宿泊を考える人には、松井山手のスパ&ホテルの補助券もある。町の西部、京阪東ローズタウンの中心に位置する施設で、南山城の地を足で感じながら、夜はビールで締める。そういう滞在も、この町の顔を知る道だ。