矢作川が運ぶ肥沃さ、冬の甘いニンジン
碧南市は矢作川の河口に位置する。かつて遠浅の砂浜だったこの土地は、江戸時代に新田開発で農地へと変わり、今も市域の約4分の1が田畑だ。特にニンジンは国の特産地に指定されている。
冬期限定で届くマドンナキャロットは、その代表だ。選べる容量で1キロから10キロまで、家族の食べ方に合わせて注文できる。冬のニンジンは甘い。秋から冬にかけて土の中で糖分を蓄える。届いたら、皮ごと塩ゆでにするか、薄くスライスして生のまま塩をふって食べてみてほしい。繊維が細く、青臭さがない。味噌汁に入れても、きんぴらにしても、その甘さが引き立つ。

港町の酢漬け文化——しめさば、こはだ
碧南は古くから大浜港として栄えた海上交通の要衝だ。江戸時代には沼津藩の陣屋も置かれた。その港町の台所に根付いているのが、魚を塩漬けにして酢で〆る文化である。
しめさばやこはだの酢〆は、創業70年を超える老舗の仕事だ。塩漬けにした魚を酢に漬けることで、身が締まり、保存性が高まる。これは冷蔵技術がない時代、港町で生まれた知恵である。届いたら、そのまま酒の肴に、あるいは薄く切ってご飯に乗せて。酢の香りと塩辛さが、白いご飯を進ませる。晩酌の時間が、ぐっと深くなる。

季節の野菜、手仕事の返礼品
碧南の農業は、ニンジンだけではない。タマネギ、サツマイモ、イチジク、観賞用植物など、多様な作物が育つ。ファーストトマトは、たった3ヶ月の限定出荷。初夏の短い期間に、農家が丹精込めて育てた完熟トマトが家に届く。
また、有機三州味醂は、碧南の伝統産業である醸造の代表だ。米麹と米を塩漬けにして、時間をかけて発酵させた本みりん。煮詰めた甘さではなく、麹の力で引き出した自然な甘さが、和食の味わいを深める。
工業地帯として知られる碧南だが、その足元には、季節を読み、手を動かす農業と醸造の営みがある。返礼品を通じて、その営みに触れることは、この町の本当の顔を知ることになるのだ。
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