飛騨川が刻む谷間の町
下呂市に入ると、まず目に入るのは山だ。市域の九割が森林に覆われ、その間を飛騨川(益田川とも呼ばれる)が南へ流れ下る。御嶽山を源とする清流は、河川沿いの平坦地とゆるやかな斜面を削り、そこに人の営みが細く刻まれている。国道41号とJR高山本線が谷に沿って走り、駅と駅の間に集落が点在する。この地形こそが、下呂という町の骨格だ。
年間降水量は2400ミリを超え、冬には-10℃以下に冷え込む。豪雪地帯に指定された地域もある。こうした気候が、飛騨川の水量を保ち、棚田を潤す。馬瀬川はアユ釣りの宝庫として知られ、清流めぐり利き鮎会ではグランドチャンピオンを獲得した。水が良い土地では、米も酒も自ずと質が高まる。
清流が育てる米
下呂の米は、この谷間の気候と水に支えられている。銀の朏 皇室献上米は、化学肥料を使わず、飛騨の土と水で育てた品種「いのちの壱」だ。届いた米を炊くと、粒が立ち、甘みが引き立つ。朝食の茶碗に盛ると、その違いが分かる。

同じく下呂産の龍の瞳も、この町を代表する一品だ。評価が高く、寄付額も大きいのは、それだけ手間がかかり、土地の力を引き出す品種だからだろう。棚田の段々が、秋に黄金色に染まる光景を思い浮かべながら、その米を食べる。それは単なる食事ではなく、飛騨南部の風景を家に招くことだ。

清流の水で仕込む酒
米が良ければ、酒も良い。下呂には天領酒造がある。天領酒造の純米飲みくらべセットは、同じ蔵の異なる純米酒を並べて味わえる。大吟醸から純米まで、水の透明さが酒に映る。晩酌の時間に、一杯目は冷やして、二杯目は常温で。季節が変わるたびに、同じ銘柄でも表情が変わることに気づく。
天領酒造の焼酎飲みくらべセットは、麦焼酎、そば焼酎、米焼酎と、異なる素材の焼酎を揃えている。飛騨の清流で仕込まれた焼酎は、後味が柔らかい。冬の夜、湯上がりに一杯。その時間が、下呂という町への寄付の実感になる。
温泉宿への補助券
下呂温泉は日本三名泉の一つだ。林羅山が江戸時代に有馬、草津と並べて記した由緒ある湯である。下呂観光ホテルの宿泊補助券や湯之島館の宿泊補助券は、寄付後に温泉地を訪れるきっかけになる。米と酒で下呂を知った後、その土地の湯に浸かる。飛騨川の音を聞きながら、湯船に身を沈める。そこで初めて、この町全体が一つの風景として立ち上がる。
返礼品を選ぶ視点
下呂の返礼品は、温泉宿泊券、飛騨牛、米、酒に大別される。温泉は観光の入口だが、この町の本質は清流と棚田、そしてそこから生まれる米と酒にある。寄付額が高い品ほど良いわけではない。むしろ、飛騨川の水が育てた米を選び、その米を炊いて食べ、その土地の酒を飲む。そうして初めて、下呂という町が家の食卓に届く。季節ごとに定期便で米を受け取るのも良い。春から秋へ、秋から冬へ、季節の移ろいとともに、飛騨南部の風景が家に届く感覚を味わえる。
