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丹波山村、水源の森が育てたウイスキー

東京の水を守る山林が、樽の中で時間をかけて別のものに変わる。

丹波山村の風景
丹波山村(山梨県)/ 写真: Wikimedia Commons

丹波山村のおすすめ(編集部が選定)

収録返礼品は全1件。

水源の村が、樽で時を重ねる

丹波山村は、東京都の水源涵養林を抱える村だ。明治の初め、多摩川上流の乱伐で荒廃した山を前に、東京市(当時)は水を守るため、この村の山林を買い上げていった。1901年、宮内省の御料林は東京府に移管され、以来120年以上、この村の山は東京の水道水を育ててきた。

村の人口は508人。国道411号が丹波川に沿って走り、集落は河岸段丘に点在する。公共交通は東京の奥多摩駅へのバスだけ。生活圏は山梨県というより東京に属している。そうした地理の中で、この村が作ったのが村産ミズナラ樽のウイスキーである。

村産ミズナラ樽のウイスキー
村産ミズナラ樽のウイスキー ・ ¥20,000

樽は、村の山から切り出したミズナラを使う。樽作りは、木を選ぶ段階から始まる。樹齢、年輪の密度、割れやすさ—— 樽職人の目は、一本の木の中に何十年もの時間を読む。その樽に、ウイスキーを詰めて寝かせる。樽の内側は焦がされ、木の香りと焦げの香りが、アルコールに溶け込む。何年かけて、どの深さまで浸透させるか。それは樽職人と蒸留所の職人の対話だ。

東京の水を守ってきた山が、今、別の形で時間を刻んでいる。樽の中で、ゆっくりと。

晩酌の時間に、山の時間が降りてくる

グラスに注ぐと、琥珀色が光る。鼻に近づけると、ミズナラの香りが立ち上る—— 樽から移った、かすかな甘さと、焦げの深さ。口に含むと、樽の時間が舌の上で開く。

冬の晩酌に、暖炉の前で、あるいは夏の夜、縁側で。ウイスキーは、飲む人の時間に合わせて、その表情を変える。この村のウイスキーは、樽の中で何年も待った時間を、一杯の中に詰めている。

村の山は、今も東京の水を守っている。その同じ山から切り出された樽が、別の誰かの晩酌の時間を作る。そうした循環の中で、丹波山村は、小さな村でありながら、大きな時間を動かしている。

丹波山村のおすすめ返礼品(編集部の推し)

村産ミズナラ使用 樽熟成ウイスキー 丹波山

¥20,000

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山梨県・村 ・ 人口約508 ・ 水源涵養林経営(東京都水道局)・ウイスキー製造・観光 ・ 収録返礼品 1件 ・ 自治体公式

丹波山村に寄付して受け取れる返礼品(1件)

丹波山村を初めて知ったのは、東京の水源という文脈だった。人口508人の村が、100年以上、首都の水を支えている事実に驚いた。その山から樽が生まれ、ウイスキーになる。地理的には山梨県だが、生活も産業も東京に向いている村の、独特な立ち位置が、この返礼品に表れていると感じた。樽職人の手仕事と、山の時間の両方を味わえる一杯だ。— 森下 工