扇状地が育てた、水と光の果樹地帯
南アルプス市の東側、甲府盆地の西部に広がる御勅使川扇状地。かつて「月夜にも灼ける」と言われた旱魃地帯を、江戸時代の灌漑用水が潤した。その歴史の上に、今は桃とぶどう、サクランボが育つ。扇状地の緩やかな傾斜は、南アルプスの山々から降りてくる清冽な水と、盆地を取り巻く山々に反射する光を、果樹に与え続ける。旧白根町が「桃源郷」と呼ばれたのは、単なる風情ではなく、この地形と水利が生んだ現実だ。
光センサー桃、夏の食卓へ
光センサー桃「特青」は、その名の通り、光の量を測って収穫を判断する。届いた時点で既に食べ頃に近く、冷蔵庫で一晩冷やせば、朝食の皿に置ける。皮を剥くと、果肉の色が濃く、蜜が詰まっているのが見える。一口かじると、繊維質が細かく、果汁が口の中で広がる。この桃は、冷たいまま食べるのが正解だ。夏の朝、半分に割ってスプーンで食べるのもいい。昼間に常温に戻った桃は、別の顔を見せる——甘さが立ち上がり、香りが強くなる。

同じ季節、ぶどう2種詰合せも届く。扇状地の上部から中部にかけて、ぶどう棚が連なる。2房、約1キロという量は、家族で数日かけて食べるのに丁度いい。房から粒を外して冷やし、食後のデザートにする。あるいは、朝の食卓に、そのまま置く。ぶどうは桃ほど日持ちしないから、届いたら早めに冷蔵庫へ。

日本酒で、季節を閉じる
夏から秋へ移る頃、太冠の純米・吟醸2本セットがあると、晩酌の時間が変わる。南アルプス市産の果実を食べた季節の終わりに、地元の酒を冷やして飲む。純米と吟醸、2本の違いを飲み比べることで、その土地の水と米がどう酒になるのかが、体で理解できる。
他の選び方
この市の返礼品は、果実が主役だ。フルーツトマトも、同じ扇状地で育つ。ただし、この地域の返礼品を選ぶなら、季節性を意識してほしい。桃とぶどうは夏から秋の初めの限られた時期に届く。その時間を待つこと、そして届いた時に食べ方を変えることが、この町の食卓への着地を決める。