妙高山の雪が、米の味を決める
妙高市の西部には標高2,000m級の山々が連なり、その麓に高原丘陵地帯が広がっている。私はこの地形を見ると、米作りの条件がすべて揃っていることに気づく。冬の豪雪—年平均降雪量1061cm—は春の雪解け水となり、田んぼを潤す。夏は高原の涼しさが穂を引き締め、秋は日中と夜間の気温差が米の甘みを深める。
妙高産こしひかりは、この風土そのものだ。届いた米を研ぐと、粒が揃っていることに気づく。炊き上がりは、ほのかに甘く、粒がしっかり立つ。冬の間、白飯だけで食べるのが一番だ。味噌汁の具は最小限に。米の個性を邪魔しない。春先、新玉ねぎと塩だけで炒飯にしても、米の甘さが活きる。この米は、台所の主役になる米である。

酒造りの水も、同じ源
妙高市は古くから宗教都市として栄えた。関山神社は西暦708年に建立され、源義仲や上杉謙信も参拝した。そうした歴史の中で、酒造りも根付いた。
妙高の日本酒3銘柄飲み比べセットを手にすると、同じ水、同じ土地から生まれた酒たちの違いが見える。君の井、鮎正宗、千代の光—それぞれの蔵が、妙高の水をどう解釈するかが、味わいの違いになっている。冬の晩酌に、一本ずつ、ゆっくり開ける。燗をつけると、米の甘さと酒の香りが重なり、その夜の食卓の温度が上がる。

君の井の山廃仕込み純米大吟醸は、より深い。山廃仕込みの複雑さが、冷やでも燗でも、食事と対話する。刺身、煮込み、漬物—どれとも相性がいい。酒が食卓の中心になる夜もある。
高原の冷涼さが、ワインも育てる
妙高高原地区は観光客が多く、冬はスキー客で賑わう。その高原の気候が、ワイン造りにも適している。妙高ワイン「雪のひとかけら」は、マスカット・ベーリーAを使った赤ワイン。高原の冷涼さが、ぶどうに酸と香りをもたらす。秋の夜長に、チーズと一緒に。ワインの温度が上がるにつれ、香りが変わる。それを追いながら飲む時間が、この土地の季節を感じさせる。
妙高市への寄付は、米と酒と、その背景にある雪解け水の恵みを家に迎えることだ。