水運の町が、今も「運ぶ」ことを知っている
流山は江戸川と利根運河に挟まれた町だ。江戸時代、この水路は白みりんを江戸へ運ぶ動脈だった。河岸が整備され、みりん製造で栄えた。その後、鉄道が敷かれ、やがてつくばエクスプレスが開通して、東京への通勤地として急速に人口が増えた。だが、この町の本質は変わっていない。ものを運び、人を運び、生活を支える基盤としての役割だ。
現在、流山に本社を置く企業の多くは、そうした実用性の精神を受け継いでいる。キッコーマンの関連企業、化粧品メーカー、そしてタナックスのバイク用シートバッグ。これらは派手さより、日々の生活で頼られるものばかりだ。
移動する人生に寄り添う品
タナックスのシートバッグは、バイク乗りが毎日のように手にする。雨の日も、長距離ツーリングの時も、荷物を確実に守り、走りを邪魔しない。設計の細部には、使い手の動きを読む思慮がある。流山という町が江戸時代に「運ぶ」ことで栄えたように、このバッグも、乗り手が目的地へ確実に到達することを支える。
流山は今、東京への通勤者が多い町だ。朝夕、駅に人が集まり、電車で都心へ向かう。その移動の中で、人々は何かを運んでいる。仕事の道具、子どもの荷物、日々の買い物。流山で生まれた返礼品は、そうした「運ぶ」という営みの一部を担う。江戸川の河岸で白みりんが積み込まれた時代から、形は変わっても、この町の企業が果たす役割は同じなのだ。
