江戸川と中川に挟まれた町の、水の恵み
杉戸町は埼玉県の東部、関東平野の中央からやや南寄りに位置する。町域の大部分は海抜8m前後の中川低地に属し、古利根川、江戸川、葛西用水など、幾筋もの河川と用水路が網の目のように走る。この水の豊かさが、この町の産業と食卓を形作ってきた。
江戸時代には日光街道の宿場町として栄え、明治以降も農業と水運の町として歩んできた杉戸。その歴史の中で、この低地の水環境を活かした養殖業が根付いている。国産うなぎの蒲焼は、そうした背景の中で生まれた返礼品だ。

年4回の定期便で届くというのが、この品の特徴である。春夏秋冬、季節ごとにうなぎを食卓に迎える。冬の晩酌に、夏の土用の丑の日に、あるいは秋の夜長に。届くたびに、その時季の食べ方を考える。温かいご飯に乗せるのか、冷やして食べるのか、あるいは酒の肴にするのか。選べる容量というのも、家族の人数や食べ方に合わせて、毎回の注文時に調整できるということ。返礼品は一度きりではなく、一年を通じて、その町とのつながりが続く形になっている。
台所に届く、小さな手仕事
もう一つ、この町の返礼品として目に留まるのがおかきの詰め合わせである。4種類のおかきが一箱に。揚げたもの、焼いたもの、塩辛いもの、甘いもの—台所で作られた小さな菓子の詰め合わせは、晩酌の友であり、来客時の茶菓子であり、子どもたちのおやつでもある。

関東平野で育つ米を、町内で加工する。そうした地域内の循環が、こうした返礼品の背後にはある。うなぎも、おかきも、この町の水と土、そして人の手が関わっている。寄付という形で、その営みを支える。そして季節ごと、あるいは日々の食卓で、その町を思い出す。それが、ふるさと納税という仕組みの、最も素朴で温かい使い方ではないだろうか。
