水に囲まれた町の、素材を活かす手仕事
三郷市は埼玉県の最東端、江戸川と中川に挟まれた中川低地に位置する。海抜1.4mから8m程度の平坦な土地で、古くから水運と農業が生業だった。弥生時代から人が定住し、古墳時代には河川による水運の拠点となっていたという。その後も、この低地は二郷半領と呼ばれ、水を引き、田畑を潤す土地として知られてきた。
昭和の高度経済成長期に大規模団地が次々と造成され、村から市へと急速に変わっていった町だが、今も市内には農業を営む人たちがいる。江戸川と中川の水、そして関東平野の土が育てた野菜や果実は、地元の食卓を支えてきた。
砂糖を使わないドライフルーツ詰め合わせは、そうした農業の営みの延長線上にある。完熟したイチゴを、砂糖漬けにせず、そのまま乾燥させた。果実本来の甘さと酸味が凝縮される。10g×10袋という小分けは、毎日の朝食やおやつに、ひとつまみ手に取る食べ方を想定している。砂糖を足さない分、素材の味わいが前に出る。水分が抜けた果肉は、歯で噛むと弾力があり、口の中で徐々に甘さが広がる。

台所に届く、素材の選別と手間
ドライフルーツは、見た目以上に手間がかかる。完熟のタイミングを見極め、傷のない実を選び、乾燥させる過程で色や食感が変わる。砂糖を使わないという選択は、その手間をさらに増す。甘さに頼らず、果実そのものの品質が問われるからだ。
届いた小袋を開けば、濃い赤色のドライイチゴが詰まっている。そのまま食べるのもよし、ヨーグルトに混ぜるのもよし、紅茶に浮かべるのもよい。砂糖漬けのドライフルーツとは違い、後味に甘ったるさが残らない。むしろ、イチゴの酸味が心地よく、何度も手が伸びる。
三郷市の返礼品は多くはないが、この一品は、低地の町で育つ果実と、それを活かす職人の手仕事を、家の食卓に届ける。東京に隣接しながらも、農業の営みが息づく町の、静かな顔を映している。
