工場の時間が、家の晩酌になる町
私がさくら市を訪ねるなら、まずニッカウヰスキーの栃木工場を見たいと思う。この町は、関東平野の最北端に位置する水田地帯と丘陵地を持つ農業地域だが、同時に工業団地を備えた産業都市でもある。その中でも、ウイスキーの熟成という時間の仕事が、この町の返礼品の中核を占めている。
ニッカの飲み比べセットは、さくら市で熟成されたウイスキー6種7本を一度に手にする返礼品だ。届いた時点で、すでに樽の中で何年も過ごした液体が家に着地する。ハイボール、ロック、ストレート——季節や気分で飲み方を変えながら、一本一本が異なる熟成の物語を味わうことになる。冬の夜、仕事を終えた後の静かな時間に、グラスに注ぐ。その液体は、さくら市の工場で、樽の中で、時間をかけて完成したものだ。

熟成の選択肢、家の台所で
ウイスキーの返礼品は、寄付額や本数で選べる柔軟性がある。ハイニッカは、ハイボールの定番として毎晩の晩酌に向く。ブラックニッカのペットボトルは、量を選んで、家族の飲み方に合わせられる。どれを選んでも、さくら市の工場で熟成された時間が、そのまま家に届く。

甘さの季節、ジャムの手仕事
ウイスキーだけがこの町の返礼品ではない。季節のフルーツジャムは、旬の果実を瓶に詰めた別の時間の仕事だ。春のいちご、夏のブルーベリー、秋の栗——季節ごとに届く4個のセットは、朝食のパンに、ヨーグルトに、紅茶に。家の食卓に季節の手当てをもたらす。ジャムの甘さと、ウイスキーの樽香。この町の返礼品は、家の中で異なる時間軸で共存する。
なぜこの町でウイスキーなのか
さくら市は2005年、氏家町と喜連川町の合併で誕生した。両町の共通点を探す中で、「桜」という名が選ばれた。だが、この町の本当の顔は、工業団地と、そこで続く熟成の仕事にある。ニッカウヰスキーの栃木工場は、この町の産業を象徴する存在だ。返礼品として届くウイスキーは、単なる商品ではなく、さくら市という場所で、樽の中で、時間をかけて完成した液体そのものである。
