余市川の中流、果樹が根を張る町
仁木町は北海道の後志地方にあって、余市川が「し」の字を描くように流れる中流域に広がっている。川の両岸に1、2キロメートル幅の平地があり、川上の大江地区では水田が、川下の仁木地区では山の裾野とともに果樹園が広がる。この地形が、この町の産業を決めた。
1879年、徳島から仁木竹吉ら360余名が入植し、翌年に仁木村が成立した。その後、山口県からの移民が大江村を開いた。稲と林檎が二本柱だったが、20世紀後半になるとサクランボ、ブドウ、そしてプルーンへと、果樹の比重が高まっていった。今、この町の顔は果樹園である。
プルーン、秋口の甘さ
仁木町産プルーンは、9月中旬から10月中旬の出荷。この時期のプルーンは、夏の日差しを吸い込んで、糖度が高い。届いた箱を開けると、濃い紫色の実が詰まっている。

私は、プルーンを冷蔵庫で冷やしてから、そのまま食べることが多い。皮の張りがあって、かじると果汁が口に広がる。種を吐き出す食べ方だが、これが素朴で、季節を感じさせる。あるいは、ヨーグルトに混ぜたり、朝食のシリアルに散らしたり。保存性も良いので、数週間かけてゆっくり食べられる。
仁木の果樹園は、山が多い町の限られた平地を活かしてきた。耕地は町の面積の10.5%に過ぎないが、その土地を最大限に使う農業の知恵がプルーンの品質に表れている。
米と、ワインの選択肢
同じ町の返礼品でも、地区によって産業が異なる。大江地区は水田が主だった歴史を持つ。銀山米研究会のお米は、ゆめぴりかとななつぼしの2品種を5kg×2袋。新米の季節に届けば、炊きたての香りが家を満たす。無洗米ではなく、研ぐ手間がある分、米との付き合い方が濃くなる。

もう一つ、この町の新しい顔としてカタクリのピノ・ノワールがある。NIKI Hills Winery という地元のワイナリーが、北海道産ぶどうで仕込んだ赤ワイン。果樹の町が、ぶどうをワインに変える選択をした。晩秋の食卓に、この町の土地の味わいが一本、届く。
返礼品を選ぶときの視点
プルーンは秋口の季節限定。米は通年、新米の時期を狙うなら秋。ワインは、この町の産業の多様性を知る入口になる。どれを選ぶかは、あなたの台所の季節と、この町の風土とを重ねる作業だ。
仁木町への寄付は、余市川沿いの平地で、世代を重ねて続く果樹栽培を支える。返礼品として家に届く一つの実が、その背景にある地形と歴史を思い出させてくれる。
